1. サブスタンスP(SP)およびヘモキニン-1(HK-1)のフラグメントペプチドの疼痛行動に対する評価 HK-1およびSPのペプチドによるフラグメントペプチドを4種合成した。そこで、N末端によるフラグメントペプチド(N-SPおよびN-HK-1)は疼痛行動を誘発しないが、C末端によるフラグメントペプチド(C-SPおよびC-HK-1)は疼痛行動を誘発した。また、SP誘発疼痛行動に対してN-SPおよびN-HK-1を前処理すると、SPによる疼痛行動に対する抑制効果を示した。さらに炎症性疼痛に対してもN-SPおよびN-HK-1はホルマリン投与に伴う疼痛行動に対して抑制効果をもたらした。従って、N-SPおよびN-HK-1は疼痛を抑制する効果を有するペプチドであることが示唆された。 2. サブスタンスP(SP)およびヘモキニン-1(HK-1)のフラグメントペプチドの痒み行動に対する評価 ヒスタミンおよびセロトニン(5-HT)皮下投与による痒み行動に対して、N-SPおよびN-HK-1をそれぞれ前処理すると、N-HK-1投与群において痒み行動の抑制が認められた。このことから、N-HK-1は、痒みの伝達機構への関与が示唆された。 3.本研究は、平成25年度から特別研究員奨励費によって引き続き行うものとする。
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