研究課題/領域番号 |
24790582
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
酒井 寛泰 星薬科大学, 薬学部, 講師 (00328923)
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キーワード | 過敏性腸症候群 / 下痢 / 消化管分泌 / CFTR |
研究概要 |
平成 24 年度の研究で BALB/c マウスにおいて 5 ならびに 12 日間 コミュニケーションボックスにて mental および physicalストレス負荷 (MS および PS 負荷)を亜急性および慢性的に行ったところ、正常動物と比較して有意な下痢の発症を引き起こした。さらに、結腸における免疫状態を解析する目的で各種サイトカイン遺伝子発現を検討したところ、炎症に関与する TNF-alpha, IL-1beta, IFNgamma 等のサイトカイン遺伝子の発現減少が観察された。この知見を受け、コミニケーションボックスによるストレス負荷では、結腸に著しい炎症が引き起こされているのではなく、逆に免疫抑制が引き起こされているという知見を受け、下痢の原因の1つとして考えられる分泌亢進に着目して研究を進めている。分泌性下痢といわれるものは、小腸や大腸の粘膜に存在する腸管上皮細胞が塩素イオン(Cl-)を分泌して起こり、そのためには腸管上皮細胞の塩素イオンチャンネル(Cl-チャンネル)が作動することが知られており、このチャネルとして cystic fibrosis transmembrane conductance regulator (CFTR) が知られている。この CFTR の結腸における遺伝子発現を検討したところ、PS 負荷だけではなく MS 負荷においても発現が上昇していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ストレス負荷時結腸における下痢症状とCFTR との相関関係が明らかにできたことにより、おおむね順調に伸展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ストレス負荷において結腸にて発現が上昇していた CFTR と内臓痛覚過敏との関係を明らかにし、CFTR のプロモーター領域におけるヒストン修飾の有無をクロマチン免疫沈降法-PCR (Chip on PCR 法) により明らかにし、ヒストン修飾酵素の発現変化等も解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験用試薬の購入予定であったが、年度がまたがるためにキャンセルをした。 実験用試薬を購入する予定である。
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