研究課題
平成25年度に、梅酢ポリフェノールカプセルを用いたランダム化比較試験を実施した(平成25年9月時点の平均年齢54.2歳、ポリフェノール群36人、プラシボ群36人)。梅酢ポリフェノール(平成25年9月~12月の12週間内服)は、明瞭な降圧効果を有するとまでは言えないものの、血圧上昇抑制効果を有する可能性があった。また、自覚的な健康状態を向上させる効果があると考えられた。平成26年度は、梅酢ポリフェノールの長期的な健康影響を評価するため、上述の試験の参加者計72人を対象に、1年間の追跡観察を実施した。平成26年3月、6月、9月、12月時点の健康状態について、郵送式質問票を用いて調査した。質問票「SF-8」により、ポリフェノール群とプラシボ群で、身体的サマリースコア(PCS)、精神的サマリースコア(MCS)の推移を比較した。また、疾患の治療状況、服薬状況、自覚症状についても調査した。梅酢カプセル内服終了時(平成25年12月)以降、PCS、MCSはポリフェノール群・プラシボ群とも漸減した。平成25年12月に生じていた両群のPCSの差は、平成26年3月時点でも有意であり、その後漸減し平成26年9月以降にほぼ同値となった。一方、平成25年12月に生じていた両群のMCSの差は、平成26年3月時点では有意には到らないものの比較的保たれ、平成26年9月にほぼ同値となった。両群とも、1年間の観察期間を通じて、疾患の治療状況・服薬状況・自覚症状に明瞭な差を認めなかった。今回の研究では、ポリフェノール摂取中止後にも自覚的な健康状態が維持された。その理由として、ポリフェノール摂取を12週間続けることで血管内皮機能が改善したことが考えられた。以上の結果から、梅酢ポリフェノール摂取中止後にも、健康への有益な効果が保たれることが示唆された。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
Environ Health Prev Med.
巻: 19 ページ: 444-451
10.1007/s12199-014-0404-8