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2013 年度 実施状況報告書

東日本大震災による精神的ストレスが心血管疾患患者の予後に及ぼす影響を評価する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24790605
研究機関東北大学

研究代表者

後岡 広太郎  東北大学, 大学病院, 助教 (20598411)

キーワード東日本大震災 / 心的外傷後ストレス障害・反応 / 心血管疾患
研究概要

東日本大震災はマグニチュード9.0の巨大地震であり、東北地方に甚大な被害をもたらした。震災がヒトに心的外傷後ストレス障害(p ost-traumatic stress disorder, PTSD)を与えることが、1995年1月17日発生した阪神淡路大震災の被災者を対象にISE-R(Impact of Event Scale-Revised)形式のアンケート調査した研究で報告されている。(J Nerv Ment Dis 2002;190:175-182) PTSDは突然の衝撃的出来事を経験することによって生じる特徴的な精神障害であり、再体験(侵入)、回避、過覚醒を主要な症状とす る。東日本大震災のような突然の衝撃的出来事を経験することによりPTSDを発症した例は多数存在すると予想されるるが、データは十分蓄積されていない。
H25年度は 当科で進行中の心血管疾患症例の大規模コホート研究、第二次東北慢性心不全登録研究(Chronic Heart Failure and Registry in the Tohoku District-2, CHART-2研究)参加症例10219例を対象にPTSDの有無(ISE-Rで評価)について2013年10月-2014年1月の間に第3回目のアンケート調査を行った。
死亡脱落例を除いた7502名の患者さんにアンケートを依頼した。2014年3月末までに4503名(60%)がアンケートに回答した。現在4503名のアンケートデータをクリーニングしデータベースに入力中である。
またH23年度、H24年度のアンケートデータを解析し、両年度のアンケートに対して回答の得られた4514例においてPTSDを疑う症例は11.6%から15.5%に増加していたことが判明した。またPTSD疑い症例は女性の割合が多いことが判明した(PTSD+:40%, PTSD-:28%)。今後心血管疾患重症度や予後との比較を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2012年10月-2012年1月にアンケートを施行した。前年度及び今年度アンケートに回答の得られた4514例ではPTSDを疑う症例は11.6%から15.5%に増加を認めた。PTSD疑い症例は女性の割合が多いことが判 明した(PTSD+:40%, PTSD-:28%)。
25年度研究で目的とした心血管疾患症例における東日本大震災によるPTSDの発病率に関する調査が行えた。
また、2013年10月-2014年1月に掛けて第3回目のアンケート調査を行った。7502名の患者さんにアンケートを依頼した。2014年3月末までに4503名(60%)がアンケートに回答した。現在4503名のアンケートデータをクリーニングし、データベースに入力中である。

今後の研究の推進方策

引き続き最低1年に1度の予後追跡調査を行う。 全死亡・心血管死・自殺・心不全入院・心筋梗塞の発症をイベントとしてCRCと共に参加施設の協力の下に調査する。また、研究 1で調査した(1)大震災の状況調査(2)ISE-Rによって診断されたPTSDの有無により層別解析を行う。大震災の状況調査から推定される心的 ストレスと心血管疾患のイベント発症との関連を調査する。

次年度の研究費の使用計画

参加学会が近隣開催であったため、旅費を抑えることができた。
平成26年度は、海外学会への参加を予定しており、平成25年度分と併せて執行を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Longitudinal study of post-traumatic stress disorder after the Great East Japan Earthquake Disaster in cardiovascular disease patients -The CHART Study-2013

    • 著者名/発表者名
      後岡広太郎
    • 学会等名
      第17回日本心不全学会学術集会
    • 発表場所
      大宮
    • 年月日
      20131128-20131130

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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