我々は第二次東北慢性心不全登録研究に登録された心血管疾患症例において、東日本大震災による心的外傷ストレス障害(post-traumatic stress disorder;PTSD)の判定率及びPTSDの予後との関連を調べた。PTSDの判定率は14.7%であった。女性、津波の直接被害、経済的困窮、不眠薬の震災前からの使用がPTSDと関連していた。PTSDと判定された症例は中央値2年の追跡期間において有意に全死亡、心筋梗塞、脳梗塞・出血、心不全入院の複合イベントが多く認めた(18.5% vs. 15.0%, P=0.0035) PTSD合併は心血管疾患の予後不良と有意な関連を認めた。
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