2013年度前半は、2012年度に引き続きMRI検査の実施と脳MRIデータの解析を実施した。MRI検査を予定していた116名のうち、2013年3月末までに72名がMRI検査を終了してした。2013年度は44名の対象者に脳MRI検査を予定したが、4名が検査を辞退したため、受診者は40名となった。最終的に、2012年12月から2013年6月までの期間に112名の対象者が脳MRI検査を受診し、データが収集された。 次に、高齢者における睡眠習慣と認知機能低下および脳の特定部位の形態変化(特に海馬の委縮)との関連を検討するため、112名の対象者において、アンケート調査の回答から得られた睡眠習慣と脳の特定部位の形態変化との関連について解析した。脳MRIデータのうち、主要アウトカム指標である局所脳灰白質容積は、voxel-based morphometry法によって算出した。Voxel-based morphomety施行時の閾値はfamily-wise errorによる多重比較補正の上でp<0.05とした。また副次アウトカム指標として認知機能得点(MMSE)との関連についても解析した。統計解析は重回帰分析を用い、性・年齢を調整した。 解析の結果、睡眠習慣と全脳の局所脳灰白質体積との間で有意な相関関係はみられなかった。また、認知機能得点に対する回帰係数は、0.08(p=0.678)となり、睡眠習慣と認知機能得点との間に有意な関連はみられなかった。
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