ネパールにおける認知症の有病率やその関連要因を知る目的で、60歳以上の高齢者約130人とその家族を対象にインタビューを行った結果、人々に認知症概念知識は乏しく、ネパール人の認知機能検査スコアは日本の高齢者に比べ低い傾向で、認知症の有病率は約1割、教育歴の低さや性差の影響があることが明らかになった。高齢者の家族は、高齢者の認知機能の低下に対し受容的で楽観的で、問題意識は強くはなかった。また、ネパールの医療従事者約20人を対象にした認知症や看取りに関しての認識についてのインタビューの結果、認知症概念の理解に国内地域差があること、日本と比べ医療と看取りの関連が小さいことが明らかになった。
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