研究課題/領域番号 |
24790612
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大田 えりか 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40625216)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 出生体重標準曲線 / 早期新生児死亡 / 双胎 / 単胎 |
研究概要 |
平成24年度は、厚生労働省より提供していただいた過去3年分(平成20・21・22年度)の人口動態調査の出生票および死亡票を用いて、日本における人口レベルでの単胎・双胎症例を対象としたpopulation-basedの在胎週数別出生時体重基準値の推定を行い、スプライン関数によって平滑化した在胎週数別(妊娠週数22週以降)出生体重標準曲線(男児女児・初産経産別)を作成した。また、日本の単胎・双胎児の早期新生児死亡におけるリスク要因を明らかにした。従属変数は、出生後7日未満の早期新生児死亡数とし、独立変数には母の年齢、妊娠週数、性別、初経産、双子間の出生体重均衡を用いた。解析は、双胎の母をマルチレベルの一因とした多層ポワソン解析を行った。分析にはSTATA12.0を用いた。 単胎・双胎用の人口レベルの出生体重曲線を用いることで、より正確なハイリスクのスクリーニングが可能になる。作成された最新の人口レベルの出生体重標準曲線を臨床で用いられることで妊婦健診を通してのハイリスクの早期発見・高次医療ケアへの紹介が可能となる可能性がある。また、双胎の早期新生児死亡のハイリスクとなるのは、24週未満の早産児、母親の年齢が24歳以下、ペア間の体重差が大きいSGA児であった。 研究結果の一部は、5月に行われる日本助産学会で「2008-2010年の日本全国における双胎児の出生時体重基準曲線と早期新生児死亡のリスク因子に関する研究」というタイトルで学会発表する。論文も来月投稿予定であり、順調に研究計画を実施できている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究目的1であった最新のデータを用いて、日本における人口レベルでの人口動態調査出生票・死産票を用いた単胎・双胎症例を対象としたpopulation-basedの在胎週数別出生時体重基準値の推定を行い、スプライン関数によって平滑化した基準曲線を作成することができた。また、直近3年分のデータを用いて、単胎・双胎の早期新生児死亡に関するリスク要因の分析を行うことができた。ただ、本来申請してもらう予定であった人口動態調査票のデータが許可がおりなかったため、目的2の過去40年分の人口動態調査を用いて、新生児の平均体重の経年変化を明らかにし、近年増加する低出生体重児の増加の経年推移とその要因が早産(出産週数が37週未満)かどうか、地域差があるかどうかなどの要因を分析を実施することができなかった。本年度、再度申請し分析を進めていきたい。過去3年分のデータで、分析、論文執筆、学会発表を1年目で実施できたので、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
過去40年まで遡り人口動態調査(出生票・死亡票・死産票)および 医療施設静態調査を用いて、新生児の平均体重の経年変化を明らかにし、近年増加する低出生体重児の増加の経年推移とその要因が早産(出産週数が37週未満)かどうか、施設や産婦人科医などの医療人材の地域差があるかどうかなどの要因を分析する。結果は、英文査読雑誌に投稿し、学会発表を行い結果を広く周知できるようにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費使用計画は、研究補助の人件費、消耗品、および論文投稿料、学会参加費用等に使用する予定である。
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