フィリピン先住民地域への母子保健に関する公衆衛生介入は、多くの場合効果的に運用されていない。それは、母子保健に関する現地の社会的決定要因を正確に理解していないことに起因する。そのため、住民参加型研究手法を用いて、現地住民との協働により母子保健に関する社会決定要因を解明することが重要となる。住民参加型研究手法を導入することにより、現地母親の母子保健に関する知識と実践が改善されるかどうかが決まる。コミュニティの母親による母子保健の知識、実践、態度に関するデータを収集・分析し、コミュニティ構成員との協働のもと現地版母子手帳を開発した。この協働により、現地住民の主体性と責任感の醸成が可能になった。
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