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2013 年度 実施状況報告書

若年者の自傷行為に対する援助態度の構造と関連要因の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24790632
研究機関新潟県立大学

研究代表者

勝又 陽太郎  新潟県立大学, 人間生活学部, 講師 (30624936)

キーワード学校精神保健 / 臨床心理学 / 自傷・自殺予防
研究概要

本研究の目的は、若年者が自分の身近で自傷行為をしている人に対して自ら援助を提供することをどのように考えているのか、すなわち「若年者の自傷行為に対する援助態度」の構造を明らかにするとともに、この自傷行為に対する援助態度に関連する要因を明らかにすることである。
平成25年度研究では、平成24年度に実施した大学生および高校生を対象とした質問紙調査データの再分析を行った。その結果、「若年者の自傷行為に対する援助態度」には、自傷行為を行っている人から心理的に距離を取ろうとする回避的態度と、感情的に巻き込まれ、むしろ過度に援助に没入する傾向の2つのパターンがあることが明らかとなった。この結果をもとに、「自傷行為に対する非適応的援助態度尺度」を作成し、26年度研究で尺度の因子構造や信頼性・妥当性を検討するための準備を整えることができた。また、平成25年度研究では、自己破壊的行動に対する態度尺度や他の援助場面における援助者側の行動・態度を測定する尺度に関する文献レビューを同時に進め、「自傷行為に対する非適応的援助態度尺度」の併存的妥当性を検討するための準備も整えた。
本研究の成果は、近年、世界各国で若年者の自殺予防対策として注目を浴びている「自傷予防教育プログラム」に組み込むべき知識・学習内容の選定に貢献することが期待されるとともに、自傷行為に対する肯定的援助態度を促進する要因を増大させる工夫や、肯定的援助態度を阻害する要因を減少させるための工夫を検討するための知見としても役立つ可能性が高い。また、特に、本研究で作成した「自傷行為に対する非適応的援助態度尺度」については、現在わが国で研究開発が進められている「若年者向け自殺予防教育プログラム」の効果を検証するツールとして幅広い活用が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自傷行為に対する援助態度に関連する要因の検討については、平成24年度に実施した調査結果を論文にまとめ、平成25年度中に学術雑誌に投稿することができている。また、自傷行為に対する援助態度尺度の作成については、平成25年4月の研究代表者の異動に伴い、当初計画していた尺度の因子構造および信頼性・妥当性の検討のための調査実施フィールドを新たに開拓し直す必要性が生じたが、1年間の研究期間の延長が認められ、新たなフィールド確保の目途もついたため、当初の研究計画はほぼ達成可能と考えられる。

今後の研究の推進方策

1年間の研究期間の延長申請を行い、新たな研究フィールドの確保にも目途がついているため、現状では、研究推進のための十分なサンプルサイズが確保可能なものと考えられる。しかしながら、今後の研究の中では尺度の因子構造を見直す必要性が生じることも考えられるため、可能な範囲で新たな調査フィールドを確保する。

次年度の研究費の使用計画

平成25年4月の研究代表者の異動に伴い、調査のフィールドを新たに開拓し直す必要が生じたため、本調査の実施ができなかった。
1年間の研究期間延長が認められたため、平成26年度研究における調査実施と研究成果の公表のために使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 中学校における自殺予防教育プログラムGRIP:プログラムにおける 自己破壊的行動の取り扱いについて2013

    • 著者名/発表者名
      勝又陽太郎
    • 学会等名
      日本心理学会 第77回大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      20130919-20130921
  • [学会発表] 若年層の自殺予防における心理士の関わり―援助希求に焦点を当てて2013

    • 著者名/発表者名
      勝又陽太郎
    • 学会等名
      第32回日本心理臨床学会秋季大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20130825-20130828
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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