研究課題/領域番号 |
24790644
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
長谷川 智華 東邦大学, 医学部, 助教 (10468689)
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キーワード | PTSPE法 / ピペットチップ固相抽出法 / PTSPE-GC/MS法 / PTSPE-HPLC/MS法 |
研究概要 |
ピペットチップ固相抽出(pipette tip solid-phase extraction: PTSPE)法による薬毒物の新しい抽出法とガスクロマトグラフィー(gas chromatography: GC)/質量分析(mass spectrometry: MS)法を組み合わせたPTSPE-GC/MSシステムを開発し、さらに広範な種類の薬毒物を対象とし、高速液体クロマトグラフィー(high-performance liquid chromatography: HPLC)/MS法を用いて、今までの成果である従来のPTSPE-GC/MS法と合わせて、医学上問題となる人体試料中薬毒物について、簡便かつ迅速な抽出と高感度検出が可能なPTSPE-HPLC/MSシステムを構築し、法医学実際例に役立つ新しい分析を目的とし、研究を行った。 平成25年度は平成24年度と同様にPTSPE法による抽出条件の検討をおこなった。向精神薬類についてはMS/MS分析の条件設定を完了した。薬毒物標準品を用いてプロダクトイオンスキャンを行い、その結果についてフラグメンテーション解析を加えてライブラリーとして作成した。このライブラリーを参考に、プリカーサーイオンとプロダクトイオンの最適な組み合わせを決定してSRM測定を行った。さらにプロピオン酸系の非ステロイド系消炎鎮痛剤 (NSAID)を中心にGC/MS測定の条件設定およびPTSPE法の抽出法の条件設定も終え、第98次日本法医学会学術全国集会の発表および論文作成のためのデータ作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究にかかせない質量分析機器(HPLC/MS/MS)が本学に設置されていないため、共同研究機関である昭和大学医学部法医学教室に出張し、機器を使用し研究を行っているが、共同機関先の研究者と交代で機器を使用するため、相互の実験の状況により機器を使用できない場合も多い。さらに高感度の機器のため故障が生じた場合使用できない状況が2カ月つづくこともあったため。
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今後の研究の推進方策 |
SPEチップ-GC/MS法を用いたヒト血漿中非ステロイド性抗炎症薬の分析の学会発表および論文作成を平成26年12月末までに行う。同時に向精神薬類におけるPTSPE-HPLC/MS法の抽出条件を平成26年8月までに確立する。覚せい剤等違法薬物については8月以降に条件設定を終え、本年度内に発表が行えなければ来年度に発表を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年度に国際学会で発表する計画があり、出張旅費に研究費を充当させるため、次年度使用額が生じた。今年度に当初予定していた消耗品類を買う必要が生じなかった。 次年度は最終年度になるため、国内、国際学会発表の旅費に充当させる。さらに論文別刷り代および、消耗品類分をまとめ購入する予定である。
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