研究課題/領域番号 |
24790644
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
長谷川 智華 東邦大学, 医学部, 助教 (10468689)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | PTSPE法 / ピペットチップ固相抽出法 / PTSPE-GC/MS法 / PTSPE-HPLC/MS法 |
研究実績の概要 |
ピペットチップ固相抽出(pipette tip solid-phase extraction: PTSPE)法を開発し、ガスクロマトグラフィー/質量分析(MS)法の前処理法として薬毒物分析に応用し、法医学上問題となる人体試料中薬毒物について、PTSPE法と高感度検出が可能な高速クロマトグラフィー/(HPLC)/MS法とを組み合わせたPTSPE-HPLC/MSシステムを構築し、法医学実際例に役立つ新しい分析システムの開発を目的として研究を行った。平成26年度は本法を用いて非ステロイド性抗炎症薬の分析条件を設定し、第98次日本法医学会学術全国集会において「SPEチップ-GC/MS法を用いたヒト血漿中非ステロイド性抗炎症薬の分析」および、第39回日本医用マススペクトル学会年会において、「血中NSAIDsのGC/MS分析におけるシリカモノリス固相抽出チップの応用」の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究にかかせない高感度分析機器の不具合があり、数回に必要な修理を行い、その修理期間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
PTSPE-HPLC/MS 薬毒物分析システムの法医学的有用性の検討:死体検案あるいは法医解剖の際に得られた人体試料から、本研究で構築した分析システムを用いて薬毒物の検出、同定、定量を行う。なお、死体由来の人体試料は健常人とその性状が異なる場合があるので、妨害ピークによって目的物質の高感度分析ができないことがある。その際は、作製した各薬毒物のマススペクトルライブラリーを参考にして、SIM測定あるいはSRM測定で選択するイオンを適時変更する。一方、分析対象とする薬毒物の中で法医実際例における人体試料の収集が不可能なものについては、ラットを用いた動物実験を行い、経口投与後の血液試料及び尿試料を採取して、薬毒物の検出、同定、定量を行う。その結果から本研究の法医学的有用性を考察する。特にPTSPE-HPLC/MS法を用いた覚せい剤の分析の条件設定を中心に取り組む。学会発表したものについては現在論文を作成中であり、9月までに投稿する。 研究成果の公表:本研究で得られた知見を研究成果としてまとめ、日本法医学会及びその他の関連学会で発表する。また、考察を加えて論文として国際誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究に必要不可欠である高額分析機器に不具合が生じ、実験を行うことができなくなってしまった。分析機器高額であったため、買い直すことが不可能であり、機器修理を依頼したが、修理が終わるまでに長期期間を要し、研究遅滞してしまったことから十分な実験を行うことができなかった。よって実験で使用するはずであった消耗品費分が未使用額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
実験に使用する薬物およびスクリーニング用の消耗品等の購入。さらに研究成果報告のためドイツ法医学会およびイタリアで開催予定であるMedical&Legal Conferencesの旅費、そのほか論文作成のための資料として書籍の購入などに充てる。
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