法医学領域の薬毒物抽出では人体試料および溶媒の微量化並びに操作性および簡便性が追求されている。本研究では人体試料中非ステロイド性抗炎症薬、覚せい剤、ベンゾジアゼピン系向精神薬について、PTSPE法による抽出とHPLCおよびGC/MS分析を設定し、ヒト血漿0.1 mlを用いて抽出および定量性の検討を行ったところ、回収率、検量線共に良好な結果を得た。PTSPE法の利点として、①迅速簡便②人体試料や有機溶媒が少量、③S/N比の向上、④通液性が良い等が挙げられた。また、今回用いたPTSPE法の改良型として、一層の迅速性と微量性に優れた遠心操作型のスピンチップの開発にも成功し、さらなる応用が期待できる。
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