ホルマリン固定臓器を撮像対象としたMR組織学の法医実務への応用について検討することを目的に、我々は法医解剖で摘出した臓器を対象に、緩和時間の測定、臨床用MR装置を用いた画像撮像、海馬領域に特化したMR画像と病理組織標本との比較検討を実施した。固定臓器の緩和時間はホルマリンの影響があることが判明したがこの実験は今後の研究への予備的検討として捉えるべきであった。一方、臨床用MR装置でも法医実務に有用と考えるMR組織学画像等の撮像は可能であった。MR組織学画像の撮像方法と診断活用法については引き続き検討されるべき点は多いが、法医実務への応用性は高いと期待される。
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