市販の健常人のプール血漿について、血漿タンパク中のチロシンの塩素化体について、メタンスルホン酸を用いた酸加水分解により遊離化して分析する方法で調べたところ、検出されなかった。一方、塩素ガスへ曝露させた健常人のプール血漿からは、チロシンの塩素化体が検出されるとともに、その量に塩素ガス濃度依存性がみられ、高濃度ではより多くのチロシンの塩素化体が生じていた。 ラットを用いて、試験的に塩素ガス曝露実験を行ったところ、心臓血の血漿からチロシンの塩素化体は検出されなかったことから、呼吸器や上気道の粘膜等を試料にすることについてより詳細に検証する必要があると考えられた。
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