研究課題/領域番号 |
24790654
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
冨田 尚希 東北大学, 大学病院, 助教 (00552796)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 大脳白質病変 / ラクナ梗塞 |
研究実績の概要 |
1998年の大迫研究の参加者のうち、60歳以上の参加者2614名を検討対象と定めた。このうち、ベースラインの調査票に回答している対象者は2348名(89.8%)、加えて頭部MRI撮影を行っているものが532名であった。この532名のうち、MRIの評価が十分にされていないもの46名、ベースラインの基本的ADLが低下しているもの29名、IADLが低下しているもの27名、調査票に十分に回答していない59名の合計161名を除外した。残りの371名のうち、40名が死亡や転居、フォローアップ調査への不参加等の理由で除外され、最終的に331名が解析対象集団となっている。本研究の解析対象集団としているコホートに属する331名について、7年後(2005年)に手段的ADL指標(老研式活動能力指標)の総得点が低下した対象者と低下しなかった対象者について、ベースラインで撮影している頭部MRI検査における無症候性脳所見の状態を比較検討した。今回の検討では、無償高性能所見として「無症候性ラクナ梗塞」「白質病変」「その他の無症候性脳所見」の3つの所見を取り上げ、IADLの経時的変化の有無で分けた群の間に差がないか検討を行った。検討は、性別、年齢、婚姻状況、睡眠時間、健康状態の自己評価、高血圧症合併有無、心疾患合併の有無、MMSE得点を補正しておこなった。 ベースラインでみられている無症候性脳所見のうち、その後の手段的ADL低下につながる程度は、「大脳白質病変」よりも「ラクナ梗塞」のほうが強いことが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究対象のデータの整理・集計・解析に予定以上に時間を要した。この検討結果を踏まえて、後の検討をすすめる研究計画としていたため、全体の研究計画に遅延が発生した。
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今後の研究の推進方策 |
無症候性脳梗塞・ラクナ梗塞以外の無症候性脳所見(脳萎縮等)と生活機能、Geriatric condition, Geriatric syndromeとの関連について、追加の検討をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コホートデータの初期解析に想定以上の時間がかかった。それ以降の研究は、この段階の解析結果を受けて進める予定であったため、研究費の使用計画が全体として遅れが生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
無症候性脳梗塞・ラクナ梗塞以外の無症候性脳所見(脳萎縮等)と生活機能、Geriatric condition, Geriatric syndromeとの関連について、追加解析に用いる費用、成果発表に用いる費用を主な使用目的と予定している。
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