本研究では,摂食障害の治療中断要因を解明するために,2009年1月~2012年7月に東大心療内科摂食障害初診外来を受診した342名のうち,実際に治療を中断した患者へのアンケート調査(53名中24名が回答)とインタビュー調査(5名)を施行した.その結果,患者側の要因以外にも,主治医との相性,期待とのギャップ,通院の負担といった医療側の要因や治療環境の要因が大きく関与していると考えられ,その低減のためには,治療初期段階での共通目標の形成,未来院時に再受診を促す仕組みの構築が有効である可能性が示唆された.
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