研究課題/領域番号 |
24790662
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山本 悠太 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00580672)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | うつ様行動 / ラット / 遺伝子発現解析 |
研究概要 |
うつ様行動は以前より調べられているが、未だ一致した見解がえられていない。これは、個体差により通常よりもうつ様行動を強く示す動物がいるためである。うつ様行動を評価するためには強制水泳試験が用いられ、試験中の不動時間を測定することが一般的である。このため、強制水泳試験を正常ラット行った時の不動時間を測定し統計的に正常範囲を設定することを目標とした。さらに、正常範囲を設定した後に、うつ様行動を示すモデル動物を作成し、うつ様行動を示す動物の脳では発現が変化している遺伝子を解析する。 【強制水泳試験における正常範囲の設定】 Wistar系雄ラット(10週齢から12週齢)に強制水泳試験を行い、うつ様行動の指標である試験中の静止時間を測定した。100匹ほどのラットに強制水泳試験を行ったところ、統計解析を行ったところ、静止時間は正規分布したため、平均値±2S.D.を強制水泳試験の不動時間における正常範囲と設定した。 この正常範囲を用いて、正常範囲のラット群と、正常範囲を超えて静止時間の延長が認められたうつ様行動を示すラット群で脳内の部位ごとに網羅的な遺伝子発現解析を行ったところ、顕著な発現変化を認めた遺伝子群を小脳と前頭前野において見出すことができた。 【うつ様行動を示すモデルラットの作製】 母子分離処置を1週齢のラット2週間毎日行い、現在うつ様行動を示すモデルラットを作製しており、現在遺伝子発現解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の目標である、うつ様行動を評価するための正常値を設定することができた。現在うつ様行動を示すモデル動物の作製を行っており、申請時の工程表に沿った形で研究が遂行されていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
うつ様行動を評価するための正常値を設定できたため、平成25年度はうつ様行動を示すモデル動物を作製し、正常値を超えてうつ様行動を示すモデル動物と、正常値を示す動物とで発現の変化する遺伝子を見出す。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度はうつ様行動モデル動物を作製するための飼育費用および遺伝子発現解析のために必要な分子生物学的試薬を購入する費用が主な用途である。また昨年度までに出た結果を学会発表および論文投稿するために用いる予定である。
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