研究課題/領域番号 |
24790667
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
藤枝 恵 久留米大学, 医学部, 助教 (80420735)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | うつ病 / 疫学 / プライマリーケア |
研究概要 |
うつ病の患者が最初に受診する医療機関は、精神科ではなく内科の医療機関であることが多いと報告されている。そこで、内科診療所におけるうつ病診察ガイドラインを作成するため、内科診療所受診者を対象とした前向きコーホート研究を行っている。具体的には、内科診療所受診者におけるうつ病の関連要因、およびうつ病のリスク要因を検討する。 平成25年3月末までに、35歳以上65歳未満の対象者の登録を完了した。登録時にはベースライン調査を行った。調査項目は、性、年齢、身長、体重、教育歴、婚姻状況、同居家族の有無、生活習慣(飲酒、喫煙、運動習慣、睡眠時間など)、身体疾患の既往歴、入院歴、精神科受診歴、登録時の抑うつ症状などである。内科診療所の担当医師からは、登録時の内科的診断、および体温、脈拍、血圧など診察時の臨床所見に関する情報を得た。今後は、ベースライン調査によって得られた情報を基に、種々の個人特性とうつ病の関連を検討する。 本研究では、抑うつ症状、うつ病による精神科受診、うつ病等による欠勤または休職などに関する追跡調査を実施している。今後は、ベースライン調査および追跡調査により収集した情報を基に、うつ病のリスク要因について検討する予定である。 平成24年度は、主に情報収集を行った。データ解析は、次年度以降に行う予定としている。データ解析終了後、内科診療所におけるうつ病診察ガイドラインを作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の計画どおり、内科診療所の初診患者で、35歳以上65歳未満の者600人を研究対象として登録した。登録から半年後には追跡調査を行い、内科初診日から半年後の抑うつ症状、初診日から半年以内のうつ病による精神科受診、初診日から半年以内のうつ病等による欠勤または休職などについての情報を得た。
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今後の研究の推進方策 |
ベースライン調査により収集した情報を基に、内科診療所受診者におけるうつ病の関連因子について検討する。次に、ベースライン時にすでにうつ病を発病していた者を対象から除外し、追跡調査で新たに認められたうつ病を結果指標とした多変量解析を行う。多要因の影響を調整(補正)し、各リスク要因の独立したリスクの大きさを計算する。初診時の所見または個人特性により、うつ病のハイリスク集団を特定する。解析結果をもとに内科医が初診時の診察において注意すべき点をガイドラインにまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
資料整理のための人件費、コンピューター解析ソフトによりデータ解析を行うためのUSBメモリー、レーザープリンターのトナー代を必要とする。対象者の登録を行った医療機関において、調査票の記入漏れなどを含むデータの不備について、再調査を行うための旅費を必要とする。
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