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2013 年度 実施状況報告書

クローン病難治化と粘膜内リンパ球におけるエピジェネティクス制御異常

研究課題

研究課題/領域番号 24790677
研究機関東北大学

研究代表者

志賀 永嗣  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20583355)

キーワードエピジェネティクス / クローン病 / アポトーシス / bax / バイサルフェート
研究概要

クローン病は原因不明の慢性腸炎で日本でもその発症が激増しており、その病因解明が待たれている。クローン病を含む炎症性腸疾患は疫学調査よりその発症に遺伝的要因が強く関与する多因子疾患とされ、その遺伝因子を特定するため、genome wide association study(GWAS)が精力的に行われ、多数の論文が報告されている。その結果ゲノム163ケ所に有意に相関する領域が同定されている。しかし、多因子疾患の中で最も遺伝子解析が成功したクローン病においても、同定されたゲノム領域で直接説明できる遺伝因子は多くて30%程度であり、残り70%は不明のままとなっている。
疾患病因・病態に影響を与える因子としてgenetic factor以外に、epigenetic factorが注目を集めている。特にクローン病の感受性遺伝子の中に、DNAメチル基転移酵素が入っており、クローン病の発症にDNAメチル化異常が関与していることが推測されている。そこで、炎症性腸疾患においてもepigeneticな変化が遺伝子発現に影響を与えることで、病因・病態に関与しないかどうか検討することを目的に研究を行っている。
今年度は、炎症性腸疾患10例の手術標本から、lamina propria T cell(LPT)を調製し、DNAを抽出後、アポトーシス関連遺伝子のメチル化について解析した。またクローン病のLPTについてアポトーシス抵抗性であること、5-AZAにより脱メチル化することでアポトーシス感受性がどのように変化するかについて解析を行った。その結果、LPTにおいて、潰瘍性大腸炎とクローン病の比較で、アポトーシス関連遺伝子のメチル化に差を認めること、またLPTを5-AZAにより脱メチル化することでアポトーシス感受性が変化することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

免疫沈降については、条件設定がうまく合わせることができなかったが、代わりにillumina社の450kの全ゲノムを対象としたメチル化解析を行ったので、予定した速度で研究が進んでいる。特に遅れはない。

今後の研究の推進方策

全ゲノムメチル化DNA定量、LPTのアポトーシス感受性の5-AZAによる変化、またDNAメチル化と遺伝子発現との関係について、検討していく予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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