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2012 年度 実施状況報告書

組織イメージングを利用した新しい内視鏡観察システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24790691
研究種目

若手研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

堀松 高博  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40511829)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード組成イメージング / 高感度近赤外光観察
研究概要

高感度近赤外光による組織イメージング顕微鏡を用いて、正常組織(非がん部)と異常組織(がん部)を識別するアルゴリズムを作成するために、まず内視鏡的に切除された早期胃がん標本10例に対して組織イメージング顕微鏡観察を行った。
10例から得られたスペクトラム情報を、散乱及び他の望ましくない影響を削減するために、基準標準変量(SNV)スケーリングを、吸収ピークが僅かな波長差で重なり合っている場合でも吸収帯の確認が可能となる2次微分を、また主成分分析(Principal Component Analysis)を行うとすべてにおいて異常組織(がん部)を異常と認識する感度・特異度が前処理をしないものと比べて上昇することが分かった。
以上より症例数を増加させることによって、さらなる感度・特異度の上昇が期待できると考えられ、昨年度は最終的には計18例の波長情報を解析した。しかし症例数を増やすことによっては感度・特異度の上昇は認めなかった。
ただ得られるスペクトラム情報は様々な形態(肉眼型)や組織型(細胞の分化度)によっても異なる可能性が挙げられることから最も頻度が多い表面陥凹型の高分化腺癌12例に限って更なる解析を行った。18例での解析と比較すると感度・特異度は上昇することが示されたが、症例数を増やすことでのさらなる上昇は認めなかった。
同時に行ってきた培養がん細胞(Hela細胞)と培養正常細胞(ヒト皮膚線維芽細胞)の2次微分スペクトラムでは1480-1520nm付近での違いが確認され、これがグアニジン構造の吸収ピークと波長領域が一致するため、がんと非がんの間でのDNA等の差異を反映している可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

正常組織(非がん部)と異常組織(がん部)を識別するアルゴリズムを作成を目指しているが、現在の時点ではより感度・特異度を高めたアルゴリズム作成は出来ていない。
しかし、培養細胞を用いた研究からは1480-1520nm付近でがん・非がんにおけるDNA等の差異を反映していることが示唆され、今後は実際のがん標本から組織を回収することで原因となっている蛋白の解析を行う方向性がついたと考える。

今後の研究の推進方策

正常組織(非がん部)と異常組織(がん部)を識別するアルゴリズムを作成出来ていない原因として、まず病変の形態及び組織型に多様性があり、十分数な解析が出来ていない可能性が挙げられ、さらに標本数を増やした解析が必要と考えられる。また同時に現行の解析方法では感度・特異度の上昇に限界も示唆され、別の解析方法を模索する必要性もあげられる。
がん培養細胞からはスペクトラムの特徴が示唆されており、実際にその特徴を反映している可能性が高いアルギニンや核酸等のスペクトラムの特徴を把握し比較することで何の相違を反映しているのかを示すことが出来ると考える。また同時に、実際のがん標本から組織を回収し、上記で示唆された原因となっている蛋白等の解析を行っていく。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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