大腸炎症性発癌モデルを作成した。方法としては6~8週齢の雄マウスにAzoxymethane 10mg/kgを腹腔内投与後に、2.5%デキストラン硫酸ナトリウムを2週間自由飲水させ、開始から18週後に検討した。評価は、大腸腫瘍の数や大きさで行った。腫瘍発生はマウスを解剖し、実態顕微鏡や組織学的に観察した。その結果、腫瘍発生が確認され、モデル作成に成功した。本モデルを用いて、炎症性発癌過程における上皮細胞のアポトーシス、再生、増殖機構などについては検討可能であった。しかし、炎症性発癌の過程において、Lgr5陽性細胞が癌幹細胞として機能するのかを十分解明するに至らず、今後の検討課題と考えている。
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