粘膜下層に浸潤する早期大腸癌は、リンパ節の廓清のため外科手術が必要である。本研究では、粘膜下層浸潤癌において腫瘍の局所切除の際に、アデノウイルス製剤OBP-301を併用しリンパ節転移を抑制できるか調べた。早期直腸癌マウスモデルを用いて、内視鏡的粘膜下層剥離術の要領で、病変近傍の粘膜下にOBP-301を注入し、その後腫瘍を切除した。腫瘍切除後の評価では、OBP-301を併用した群が、併用しない群に比べ優位にリンパ節転移を抑制していた。OBP-301の併用により、低侵襲な(内視鏡的)腫瘍切除で治療が完結できる可能性が示唆された。
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