研究課題
テラプレビルのような薬物、 daclatasvir ( DCV )及びasunaprevir ( ASV )等直接の抗ウイルス作用の利用( DAA )により、慢性C型肝炎ウイルス(HCV)感染の治療が改善されている。しかし、 HCVには突然変異率が高いので、耐性株は、多くの場合治療中に出現する。このプロジェクトは、慢性HCV感染のため、DAA療法を受けている患者の耐性変異のタイミングと適応度を検証した。最初の研究では、 8人の患者は、 DCV 、ペグインターフェロン、およびリバビリンで処理した。患者は8人のうち6人が硬化したが、治療の終了前には2人にはウイルスが発生した(ウイルスブレークスルー)。超深度配列決定は、これらの患者からの血清を用いて行った。治療中、NS5Aにおける耐性変異の頻度が急激に増加した。これらの結果は、 DAA療法の前および治療中に耐性突然変異の出現を監視する必要があることを示唆している。第二の研究において、10人の患者は、DCVおよびASV併用療法で治療した。NS3およびNS5Aにおける抵抗の変異の頻度は、超深度配列決定を使用して、治療前および中に測定した。10人の患者のうち8人が硬化したが、ウイルスブレークスルーまたは再発は2人の患者に発生した。既存のDCV耐性変異は、ウイルスのブレークスルーを有された患者においてだけでなく、硬化させた患者の2人にも検出された。既存のASV耐性変異はどの患者で検出された変異であるかは判定できなかった。 しかし、どちらも、硬化していない2人の患者において、DCVとASVの突然変異は検出された。この研究の結果は抵抗があってもDAAの併用療法下で出現することができるということを示唆している。逆に、前治療に対する耐性変異の存在は、常に治療の失敗につながるものではない。この研究は、耐性変異体の分析が、 DAA療法の結果を予測するのは必要であるが十分ではないことを示している。
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Antimicrobial Agents and Chemotherapy
巻: 58 ページ: 2105-2112
10.1128/AAC.02068-13
Journal of Viral Hepatitis
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