研究課題/領域番号 |
24790706
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
谷 丈二 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00596075)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マイクロRNA |
研究概要 |
NAFLD/NASH(非アルコール性脂肪肝炎)モデルのマウスに対してメトフォルミンの投薬を行い、その肝組織のmiRNAの網羅的解析を行い、発現に変化を示したmiRNAに関する生物学的特徴を検討するこを目的とし、高脂肪食を与えたNAFLDモデルマウスとMCD職を与えたNASHモデルマウスを作成し、マウスNAFLD/NASH組織遺伝子におけるアレイを用いたマイクロRNAの網羅的解析を行った。 各肝組織と正常肝組織からmiRNAを回収し、これをアレイ用のサンプルとする。アレイに、標識したサンプルをハイブリダイゼーション後、アレイ用スキャナーでスキャニングを行う。その後解析ソフトウエアーArray-Pro Analyzer Ver4.5 を用いて得られたイメージ画像から、各スポットにおける蛍光強度値の定量化を行い、シグナル値を算出し、NASH・NAFLD・メトフォルミンの効果に特異的なmiRNAを同定した。クラスター解析には、教師なし階層的クラスタリングに加え、非階層的クラスタリング手法であるK-means、SOMや、精度の高い予測因子を絞り込むために教師あり学習分類であるSVM、K-NNなどの方法を用いた。 その発現プロファイルを解析し、シグナル伝達・DNA損傷・アポトーシス・血管新生に関わるマイクロRNAの発現変化を認めた。NAFLD/NASHにおけるmiRNAの関与の研究はほとんど行われていない分野であり、NAFLD/NASHにおけるmiRNAの研究は、独創的で、今後はヒト末梢血サンプルにてmiRNAを網羅的に解析し、オーダーメイド治療に活用したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、ヒトの末梢血サンプルからmiRNAを抽出し、網羅的解析することを考慮しているが、NASHの診断には肝生検が必要であり、臨床的なデータではNASHを疑う症例も正確に診断するためには肝生検が必要であり、サンプル収集に苦渋している。
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今後の研究の推進方策 |
NAFLD/NASHの組織と末梢血液による全血遺伝子の網羅的解析で得られたmiRNAが、どのメッセンジャーRNA分子を制御するかを予測検討する。miRNAのターゲット遺伝子予測は、従来のターゲット遺伝子予測プログラムのデータベースであるmiRBase, (http://microrna.sanger.ac.uk), University of California at Santa Cruz (UCSC) Human Genome Browser(http://genome.cse.ucsc.edu) およびHuman micro RNA Targets (http://www.microrna.org)を利用するにとどまらず、最新のゲノム情報に基づき新たなターゲット遺伝子の予測を試みる。特に、seed配列(micro RNAの5‘側から数えて2−8番目の7塩基の配列)は、標的決定に極めて重要であるため、このseed配列に着目しターゲット分子を絞り込む。これと、同様な方法を使用し、NASH・NAFLDに特異的に発現するmiRNAのターゲット遺伝子を予測する。
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次年度の研究費の使用計画 |
マイクロRNAのアレイの購入とその解析によるランニングコスト、NASH/NAFLDに該当する学会発表または聴講に使用
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