研究課題/領域番号 |
24790717
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
田中 守 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (80617861)
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キーワード | PDT / Calreticulin / HMGB1 / 腫瘍免疫増強効果 |
研究概要 |
光線力学的療法 (Photodynamic Therapy, PDT) は,光感受性物質が選択的に集積した腫瘍組織にレーザー光を照射し腫瘍細胞を選択的に破壊する治療法である。我々は,癌細胞が糖を取り込む性質を利用し,糖をクロリンに連結することにより,飛躍的な腫瘍選択性と殺細胞効果を達成した。さらに糖鎖連結クロリンによるPDTは,強力な抗腫瘍免疫を誘導することを見出したが,その詳細なメカニズムは不明である。本研究では,糖鎖連結クロリンの標的腫瘍細胞内での動態,腫瘍免疫増強効果のメカニズムの解明を行う事により,宿主に対しては極めて低侵襲でかつ強力な殺腫瘍細胞効果を有する次世代PDTの臨床への応用を目指し検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
糖鎖連結クロリンの癌細胞内における殺細胞のメカニズム,特に免疫の関与につき詳細に検討した。すなわち癌細胞内に取り込まれてからの細胞内局在,活性酸素,さらにアポトーシス,オートファジー誘導能につき臨床にて使用されている第2世代のレザフィリンと比較検討した。マウス移植腫瘍モデルを用いて,免疫の有無によりその糖鎖連結クロリンによるPDTの腫瘍抑制効果を比較検討する。次年度以降には,腫瘍免疫増強効果の指標となるCRT,HMGB1の発現に注目し,糖鎖連結クロリンによるPDTによるCRT,HMGB1の発現を解析した。CRT,HMGB1の発現がELISAにて確認できず,ウェスタンブロット・Real Time PCRによる確認を行った.
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今後の研究の推進方策 |
今後CRT,HMGB1を介した抗腫瘍免疫誘導の解析とその結果報告を行うことを予定としている.
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次年度の研究費の使用計画 |
CRTとHMGB1の発現がELASAにて確認できず,ウェスタンブロット・Real Time PCRによる確認を行った.そのため,CRT,HMGB1を介した抗腫瘍免疫誘導の解析を施行できず未使用額が生じた. このため,CRT,HMGB1を介した抗腫瘍免疫誘導の解析とその結果の報告を次年度に行うこととし,未使用額はその経費に充てることとしたい.
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