光線力学的療法 (PDT) は,光感受性物質が選択的に集積した腫瘍組織にレーザー光を照射し腫瘍細胞を選択的に破壊する治療法である。我々は,癌細胞が糖を取り込む性質を利用し,糖をクロリンに連結することにより,飛躍的な腫瘍選択性と殺細胞効果を達成した。さらに糖鎖連結クロリンによるPDTは,強力な抗腫瘍免疫を誘導することを見出したが,その詳細なメカニズムは不明である。本研究では,糖鎖連結クロリンの標的腫瘍細胞内での動態,腫瘍免疫増強効果のメカニズムの解明を行う事により,宿主に対しては極めて低侵襲でかつ強力な殺腫瘍細胞効果を有する次世代PDTの臨床への応用を目指した。
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