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2012 年度 実施状況報告書

肝臓線維化病態における、肝星細胞のFree cholesterol代謝機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790719
研究種目

若手研究(B)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

寺谷 俊昭  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40624408)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード肝臓 / 線維化 / コレステロール
研究概要

我々は既に、肝星細胞特異的にACAT1、LIPEおよびNCEH1を各々欠損させたマウスを作成した。これらのKOマウスで、1) メチオニン-コリン欠損食もしくはコレステロール過剰含有メチオニン-コリン欠損食の投与によるNASHモデル、2) 高脂肪食もしくはコレステロール過剰含有高脂肪食の投与によるNASHモデル、3) 通常食もしくは高コレステロール食の給餌後、CCl4投与もしくは胆管結紮施行した肝硬変モデルを作成した。現在、各群のマウスより肝臓及び血清を採取し、脂肪肝・肝障害・肝臓繊維化の差異を、組織学的・血清学的に評価検討中である。
siRNAを封入したVitamin A結合リポソームVA-Lip-siRNAのin vivo投与により、肝星細胞特異的に標的遺伝子をノックダウンすることが可能である。そこで、上記1)~3)のNASHおよび肝硬変モデルを野生型マウスで作成し、LIPE、NCEH1に対するVA-Lip-siRNAを投与した。現在、各群のマウスより肝臓及び血清を採取し、脂肪肝・肝障害・肝臓繊維化の差異を、組織学的・血清学的に評価検討中である。また、肝臓より肝星細胞を分離し、遊離コレステロールの蓄積およびTGFβに対する応答性についても評価検討中である。
これらの検討よりNASHを含む肝臓病の発症・進展において、肝星細胞のFree cholesterol代謝の果たす役割が明らかになり、新規診断法・治療法の開発につなげることが可能となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験に使用予定であったマウス(肝星細胞特異的にACAT1、LIPE、NCEH1の各々が高発現するトランスジェニックマウスおよび肝星細胞特異的LIPE ; NCEH1二重欠損マウス)が微生物に感染したため、マウスをクリーンアップする必要が生じた。そのため、今年度に行うin vivo実験に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

肝星細胞特異的にACAT1、LIPE、NCEH1の各々が高発現するトランスジェニックマウスおよび肝星細胞特異的LIPE ; NCEH1二重欠損マウスを早急に大量繁殖させる。これらのマウスで、1) メチオニン-コリン欠損食もしくはコレステロール過剰含有メチオニン-コリン欠損食の投与によるNASHモデル、2) 高脂肪食もしくはコレステロール過剰含有高脂肪食の投与によるNASHモデル、3) 通常食もしくは高コレステロール食の給餌後、CCl4投与もしくは胆管結紮施行した肝硬変モデルを作成する。各群のマウスより肝臓及び血清を採取し、脂肪肝・肝障害・肝臓繊維化の差異を、組織学的・血清学的に評価する。また、肝臓より肝星細胞を分離し、遊離コレステロールの蓄積およびTGFβに対する応答性についても評価する。
慶應義塾大学倫理委員会の承認のもと患者の承諾を得た上で、慶應義塾大学病院の大腸癌肝臓転移患者から肝切除後に得られた正常肝臓組織、NASH患者および肝硬変患者より得られた肝生検組織、血清、DNAサンプルを用い、マウスモデルで得られた知見とヒト病態との相関を確認する。

次年度の研究費の使用計画

未使用額の発生は、実験に使用予定であるマウス(肝星細胞特異的にACAT1、LIPE、NCEH1の各々が高発現するトランスジェニックマウスおよび肝星細胞特異的LIPE ; NCEH1二重欠損マウス)の繁殖に遅延が生じ、実験の施行に至らなかったためである。そこで、次年度に肝星細胞特異的にACAT1、LIPE、NCEH1の各々が高発現するトランスジェニックマウスおよび肝星細胞特異的LIPE ; NCEH1二重欠損マウスを大量繁殖させる。上記マウスを実験で使用するにあたり、マウスのジェノタイプを確認する必要がある。未使用額の研究費は上記該当マウスのジェノタイピング用試薬に使用する予定である。
すでに、肝星細胞特異的にACAT1、LIPEおよびNCE、H1を各々欠損させたマウスでNASHモデルおよび肝臓線維化モデルを作成した。現在、脂肪肝・肝障害・肝臓繊維化の差異を、組織学的・血清学的に評価検討している。また、慶應義塾大学病院の大腸癌肝臓転移患者から肝切除後に得られた正常肝臓組織、NASH患者および肝硬変患者より得られた肝生検組織、血清、DNAサンプルに関しても、検体数を増やし解析を行っている。
平成25年度には、平成24年度に行ったマウス実験に加え、肝星細胞特異的にACAT1、LIPE、NCEH1の各々が高発現するトランスジェニックマウスおよび肝星細胞特異的LIPE ; NCEH1二重欠損マウスを用いてNASHモデルおよび肝臓線維化モデルを作成し、脂肪肝・肝障害・肝臓繊維化の差異を、組織学的・血清学的に評価検討し、マウスモデルで得られた知見とヒト病態との相関を確認する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] p53/p66Shc-mediated signaling contributes to the progression of non-alcoholic steatohepatitis in humans and mice.2012

    • 著者名/発表者名
      Tomita K
    • 雑誌名

      Journal of Hepatology

      巻: 57 ページ: 837-843

    • DOI

      10.1016/j.jhep.2012.05.013

    • 査読あり
  • [学会発表] 高コレステロール食摂取は、肝臓類洞内皮細胞のTLR9シグナル増強を介してアセトアミノフェンによる肝障害を増悪させる。

    • 著者名/発表者名
      寺谷俊昭
    • 学会等名
      第54回日本消化器病学会大会
    • 発表場所
      神戸

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公開日: 2014-07-24  

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