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2014 年度 実施状況報告書

C型肝炎ウイルス特異的CD8T細胞機能不全の網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 24790720
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

石橋 由佳  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60528305)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードHCV特異的T細胞 / T細胞の疲弊 / 免疫寛容
研究実績の概要

Genotype 1b、高ウイルス量の難治症例における抗ウイルス療法中の末梢血HCV特異的CD8 T細胞のfrequency、エフェクター機能を投与前、1W, 2W, 4W, 8W~48Wまで経時的に検討し治療効果との相関を明検討した。その結果抗ウイルス療法によりHCVウイルス量が低下すると、aPD-L1の投与によりHCV特異的CD8 T細胞の著明な機能改善を認めた。同様にHCV特異的T細胞のTNF-a/IFN-g産生能も回復し、抗ウイルス療法によりaPD-L1によるHCV特異的CD8 T細胞のexhaustionが容易に改善する可能性が示唆された。
さらに本年度は、マウス急性肝炎モデルを用いて腸肝相関の観点から肝臓特有の免疫寛容誘導機序の解明を目指し検討を行った。我々のグループは近年、dextran sulfate sodium(DSS)惹起急性大腸炎モデルマウスの肝臓内にマクロファージをはじめとする炎症細胞の浸潤が認められることを報告した(Mikami et al. PLoS One, 2014)。今回、DSS腸炎の存在下で、急性肝障害を惹起するconcanavalin A(Con A)を静脈内に投与し、腸炎が肝障害に及ぼす影響を検討した。その結果DSS-Con A群において、Water-Con A群と比較し血清学的および組織学的に有意な肝障害の軽減が認められた。興味深いことに存在する腸炎の程度と、その後に起こる肝障害の程度は逆相関する傾向を認め、HumanのHCV感染における検討と同様に肝臓内の過度の免疫を抑制するために免疫寛容が誘導されることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は抗ウイルス療法中のHCV特異的T細胞のエフェクター機能の解析に加えて、マウス腸炎ー肝障害モデルを用いて肝臓内免疫寛容機序の検討を行った。おおむね順調に研究を遂行している。

今後の研究の推進方策

次年度は今後HCVに対する抗ウイルス療法の中心となるDirect Acting Antivirals経口製剤治療中のHCV特異的T細胞、NKT細胞をはじめとする各免疫細胞のエフェクター機能の解析を行う。またマウスの検討では腸炎ー急性肝障害時に誘導される免疫寛容に寄与する責任細胞の同定を行い、ヒト、マウス両面から肝臓特有の免疫寛容機序の解明を行う。

次年度使用額が生じた理由

本来年度内に納入予定の消耗品が当該年度内に納入できなくなったため、次年度使用分が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度の消耗品使用に充てる予定である。

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公開日: 2016-06-01  

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