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2013 年度 実績報告書

セリアック病の臨床実態調査と、その経過に関する前向き検討

研究課題

研究課題/領域番号 24790726
研究機関防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究

研究代表者

渡邉 知佳子  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 講師 (90365263)

キーワード吸収不良症候群 / 腸管免疫
研究概要

Celiac病は麦類蛋白成分のグルテンに対する異常な免疫応答を生じ、絨毛萎縮と吸収障害をきたす原発性吸収不良症候群の代表的な疾患である。とくに北米・ヨーロッパを中心に世界的にも多く遭遇するが、以前より我が国では本疾患を引き起こすきっかけとなる遺伝的素因に乏しいことより、その報告は極めてわずかであった。昨今の炎症性腸疾患の我が国で急激な増加を鑑みて、同様の炎症性の腸疾患であるceliac病が本邦においても小麦摂取量の増加や生活習慣の欧米化を背景として増加しているのを見逃している可能性が考えられた。とくに下痢・腹痛などの症状が類似している炎症性腸疾患患者の中に本症が隠されている可能性を考えた。実際に研究対象となった本邦の炎症性腸疾患患者では抗celiac特異的血清抗体価の増加している症例が対照の10倍近くみられた。しかし、それらの症例においてHLA検査あるいは十二指腸生検の病理検査を施行するとceliac病と確診できる症例はみられなかった。抗celiac特異的血清抗体価のみを検索して、アルゴリズムに沿って、病理診断を正確に行わないと非常に多くのnon-celiac diseaseをceliac病と誤診してしまう可能性を示唆された。このような症例の多くは、non-celiac gluten hypersensitivity (グルテン過敏性腸症:NCGS)である可能性が考えられた。これは比較的新しい疾患概念で、遺伝的素因に基づくceliac病とは異なり、glutenへの透過性および感受性が高まる病態であり、まとまった実態調査の報告は少ない。この疾患概念を把握し広く普及させることが、celiac病との誤診を避け、生活指導を適確に行っていくことは今後の課題と考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Issues associated with the emergence of coeliac disease in the Asia-Pacific region: A working party report of the World Gastroenterology Organization and the Asian Pacific Association of Gastroenterology2014

    • 著者名/発表者名
      Govind K Makharia, Chris J J Mulder, Khean Lee Goh, Vineet Ahuja, Julio C Bai, Carlo Catassi, Peter H R Green, Siddhartha Datta Gupta, Knut E A Lundin, Balakrishnan Siddartha Ramakrishna, Ramakant Rawat, Hanish Sharma, Ajit Sood, Chikako Watanabe and Peter R Gibson
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology and Hepatology

      巻: 29 ページ: 666-677

    • DOI

      10.1111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prevalence of serum celiac antibody in patients with IBD in Japan2013

    • 著者名/発表者名
      Watanabe C, Komoto S, Hokari R, Kurihara C, Okada Y, Hozumi H, Higashiyama M, Sakuraba A, Tomita K, Tsuzuki Y, Kawaguchi A, Nagao S, Ogata S, Miura S.
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology

      巻: xx ページ: xx-xx

    • DOI

      10.1007

    • 査読あり
  • [学会発表] Celiac disease in Japan2013

    • 著者名/発表者名
      Chikako Watanabe, Komoto Shunsuke, Ryota hokari, Soichiro Miura
    • 学会等名
      Asia Pacific Association of Gastroenterology Focus meeting on celiac disease
    • 発表場所
      New Delhi
    • 年月日
      20130420-20130421
  • [図書] 消化器病学 基礎と臨床2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺知佳子、三浦総一郎
    • 総ページ数
      1541
    • 出版者
      西村書店
  • [図書] 専門医の為の消化器病学第2版2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺知佳子、三浦総一郎
    • 総ページ数
      686
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2015-05-28  

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