研究概要 |
1)タンパク質導入至適条件の決定と分化誘導のための候補転写因子の決定:複数種のタンパク質が効率良く導入可能な条件を決定するために、11R(細胞膜透過ドメイン)と融合したEGFP遺伝子のベクター構築を行った。構築したベクターを大腸菌BL21株へ導入し11R融合型EGFPタンパク質を精製した。精製したタンパク質をMEF及びADSCの細胞培養上清へ添加し、EGFP陽性細胞の割合を検討した。100ng/mlで添加することにより8割以上の細胞がタンパク質を取り込みEGFP陽性細胞であることが確認された。また、11R(細胞膜透過ドメイン)融合転写因子タンパク質及び 11R-TEV protease 認識配列融合タンパク質の精製を目指し、転写因子挿入のためのMCSを含んだこれらのベクター構築を行った。このベクターへ搭載する転写因子を文献情報と NCBI の GEO data set から約20種決定し、 クローニング後11R 及びTEV プロテアーゼ認識配列を融合したプラスミドへ挿入した。 2)MODY 患者由来 iPS 細胞の樹立:MODY 患者(MODY1, 3, 5)から得た繊維芽細胞にセンタダイウイルスを用いて Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc を導入し MODY 患者由来 iPS 細胞を樹立した。樹立したiPS細胞は多能性マーカー(Oct3/4, Sox2, Tra1-60等)が陽性であり、テラトーマ形成能、三胚葉への分化能を持ち、正常iPS細胞と同等の性質を持つ細胞であることが示された。
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