研究課題
これまでの研究において第3世代薬剤溶出ステント(Drug eluting stent, DES)であるバイオリムス溶出ステント(Biolimus eluting stent, BES)では、第1世代DESで認められた異常血管反応が改善することが示唆された。この機序として、DES留置後の炎症反応や微小血栓の形成を第3世代DESでは抑制されていることを明らかにした。更には、冠動脈外膜のVasa vasorumがDES留置後の炎症反応に関与していることを、免疫染色標本、Micro CT、そして光干渉断層画像(Optical coherence tomography, OCT)を用いて明らかにした。昨年度は、Vaso vaorumの評価をブタのみならずヒトにおいても確認することが出来た。更にこの知見を基に第2世代DESと第3世代DESを比較したところ、第2世代DESと比較しても尚、第3世代DESにおいてVasa vasorumの減少を観察した。第3世代DESでは生体分解性のポリマーが用いられており、その生体分解性ポリマーがその機序と考えられた。第2世代DESは現在広く使用されているが、先のVasovasorumの検討において第2世代DESにおける冠攣縮の存在が考えられた。そこで、現在の第2世代DESの主流であるエベロリムス溶出ステントを留置された症例においてアセチルコリン負荷試験を施行し、第2世代DESにおいても有意な冠攣縮が出現することを明らかにした。更に、その冠攣縮に対して長時間作用型カルシウム拮抗薬ニフェジピンの長期投与が有用であることを明らかにした。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
Circulation Journal
巻: E pub ページ: E pub
CJ-15-0078