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2013 年度 実績報告書

大動脈瘤発症の新規機序の解明-炎症性サイトカイン・シグナル経路の関与-

研究課題

研究課題/領域番号 24790737
研究機関東京大学

研究代表者

孫 輔卿  東京大学, 医学部附属病院, 研究員 (20625256)

キーワード大動脈瘤/解離 / 炎症性サイトカイン / GM-CSF
研究概要

大動脈瘤・解離は慢性炎症により進行する病態であるがその機序は未だに不明な点が多い。我々はアンジオテンシンII依存性の転写因子であるkruppel-like factor 6(KLF6)欠損マウスにおいて、塩化カルシウム刺激とアンジオテンシンII持続投与により大動脈瘤・解離が著明に進行していることに注目した。この新たな大動脈瘤・解離のモデルを用いて、マクロファージの蓄積が病態形成の主な原因であり、KLF6による炎症反応の制御機序としてはgranulocyte macrophage colony-stimulating factor (GM-CSF)が標的であることを明らかにした。具体的にはマクロファージにおけるGM-CSFの発現および分泌の上昇がIL-6を介する炎症反応を惹起することである。さらに、マクロファージ特異的なKLF6欠損マウスにおいて大動脈瘤・解離の形成がGM-CSFの中和抗体の投与により抑制されることや野性型マウスにおいて塩化カルシウム刺激とアンジオテンシンII持続投与とともにrecombinant GM-CSFを投与すると大動脈瘤・解離が進行することからGM-CSFが大動脈瘤・解離において重要であり、必須であることを明らかにした。
また、急性大動脈解離の患者さんの血中GM-CSFが冠動脈疾患や健康者に比べ高い数値であることや病変においてGM-CSFの発現が局所で上昇していることから動物モデルで検証した機序が臨床でも応用できる結果であることを示すことができた。これらの実績から大動脈瘤・解離形成においてIL-6による慢性炎症にはGM-CSFが重要な役割を果たすことがわかった。さらにGM-CSFの発現および分泌はKLF6により制御され、この経路が破綻することでIL-6を介する炎症反応が惹起され、大動脈瘤・解離形成が進行する新たな機序を見出した(Son BK, et al., Granulocyte macrophage colony-stimulating factor is required for aortic dissection, Science Translational Medicine投稿中)。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Novel mechanism of aortic dissection involving regulation of dendritic cells and macrophage by granulocyte/macrophage colony stimulating factor2014

    • 著者名/発表者名
      Son BK, Suzuki T, Sawaki D, Aizawa K, Zhan H, Ishida J, Matsumura T, Friedman SL, Nagai R, Komuro I
    • 学会等名
      第78回 日本循環器学会総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20140321-20140323

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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