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2013 年度 実績報告書

肺血管平滑筋細胞のBMPシグナル異常に着目した肺高血圧症発症機転の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790759
研究機関岡山大学

研究代表者

武田 昌也  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80534685)

キーワード原発性肺高血圧症 / 骨形成蛋白 / PPARγ
研究概要

原発性肺高血圧症(PAH)では骨形成蛋白(BMP)2型受容体(BMPRII)遺伝子変異が発見されているが、肺高血圧症の発症・進展におけるこの変異の意義は未だ不詳である。我々は肺高血圧症(PAHおよび二次性肺高血圧症(SPH))の肺動脈血管平滑筋細胞(PASMC)増殖機序におけるBMPとPPARγの関連を明らかにすべく当院循環器内科と共同で検討を行った。
PAHおよびSPHの手術症例において、摘出肺組織から単離・培養したPASMCにおいてPPARα/γの発現を評価したところ、正常PASMCと比較したPPARγの発現レベルはSPHにおいてPAHよりも減弱していた。PDGFやET-1, BMPによるPAH PASMCの増殖促進作用はPPARγ添加で抑制された。BMP添加によりPAH/SPH PASMCでのPPARγ発現は抑制されたことから、BMPによるPASMC増殖作用にはPPARγの発現減弱の関与が示唆された。SPHに比べPAH由来PASMCで、ET-1・aldosterone・PDGFはPPARγ発現を低下させたので、PAHにおいてはPPARγ発現減弱が血管作動物質由来のPASMC増殖に関連している可能性が示唆された。
一方、PPARγ活性化によりPAH/SPH PASMCともに、BMP-1型・2型受容体の発現低下が認められ、BMPとPPARγシグナル間のフィードバック機構の存在が示唆された。BMP結合蛋白nogginによりPPARγ発現はPAHで増強・SPHで減弱し、SPHでは内因性BMPがPPARγ発現に寄与している可能性が示された。以上より、血管作動因子やBMP由来のPASMC増殖において細胞内PPARγ活性は基本的には増殖抑制的に働くが、その応答性はPAHとSPHで異なると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ヒト肺高血圧症における肺血管平滑筋細胞の増殖機転の解明と応用2014

    • 著者名/発表者名
      大塚文男、勝山隆行、武田昌也、中村一文
    • 雑誌名

      臨床薬理の進歩

      巻: (in press.) ページ: 35

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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