研究課題/領域番号 |
24790763
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
永井 啓行 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師(病院教員) (70444750)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 心房細動 / 網羅的遺伝子解析 |
研究概要 |
心房細動(AF)は、加齢・高血圧・器質的心疾患等のリスクを有する患者において、持続的に起こる左房負荷が原因となって生じる。一方で、若年者では、これらのリスクを有さなくともAFを発症し(孤立性AF)、イオンチャネルやコネキシン蛋白をコードする遺伝子との関連性が明らかにされている。発作性AFは主に肺静脈から生じる期外収縮によって発生するが、持続性AFへ移行するに従って肺静脈だけでなく心房筋内の不整脈基質の存在が重要な枠割を果たすようになる。この不整脈基質の進展には心房筋の電気的・構造的リモデリングが大きく関わっており、孤立性AFで証明された前述の遺伝子異常が、持続性AFにおいても関連性を有する可能性がある。本研究では持続性AFにおける不整脈基質の程度と遺伝的背景の関連性に関して、これまでの候補遺伝子および未知の病態 修飾遺伝子をゲノムワイドに探索し、AFの新たな病態を探究することを目的とするものである。 当科では心房細動患者に対するカテーテルアブレーションを行っている。その際に用いているCARTOシステムを使用し、現在、心房筋における不整脈基質のひとつと考えられているCFAE mapを作成し、このデータを収集中である。症例数がまとまり次第、網羅的遺伝子解析を行い、これらの不整脈基質およびアブレーションの成績と関連する遺伝子背景を検索する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、アブレーション時に洞調律であったとしてもAFの誘発を行うことでCFAE mapの作成が可能と判断していたが、予期したよりもAFが短時間で自然停止するため、十分なデータの収集ができない患者が多く存在する。このために目標症例数達成度としては、やや遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
目標症例数に到達次第、遺伝子解析に移る予定である。今後は全体の症例数を増やし多くのデータを収集したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
網羅的遺伝子解析に必要な物品を随時購入予定。海外・国内を問わず学会に参加し研究成果を広く発信する。
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