心不全ではエネルギー代謝の変化が起こっていることはよく知られているが、そのメカニズムは詳しくわかっていない。そこで、p53のターゲットの1つである解糖系制御因子のTIGARと心不全の関連についてTACモデルを用いて検討した。その結果、TAC処理後4週でWTマウスでは心機能の低下が認められたが、TIGAR KOマウスでは心に能の低下が抑えられた。また、TIGAR KOマウスにおいては心不全に伴う線維化・アポトーシスの減少がみられた。心機能の改善には解糖系の亢進が関与していたがオートファジーの関与は認められなかった。このことから、解糖系の維持が心不全治療の重要なターゲットであることが示唆された。
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