研究課題/領域番号 |
24790774
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
大林 賢史 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30596656)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | メラトニン / 夜間血圧 / ADMA |
研究概要 |
本研究の目的は、60歳以上の男女合計400 名について日中・夜間光曝露量、メラトニン分泌量、血中ADMA 濃度および24 時間血圧の測定を行い関連を調査することである。 当初研究計画で予定されていた初年度目標であった奈良県在住の60歳以上の男女200名について調査を行うことができた。測定実施主要項目と測定方法を以下に列挙する。夜間メラトニン分泌量(夜間蓄尿法)、自由行動下血圧(ABPM)、血中Asymmetric dimethylarginine(ADMA)濃度(血液検査)、日中・夜間光曝露量(アクチグラフおよび照度計)、身体活動量(アクチグラフ)、睡眠の質(アクチグラフ)、塩分摂取量(夜間蓄尿法)、年齢・性別、飲酒・喫煙歴、body mass index、病歴、一般血液検査項目など。自由行動下血圧、日中・夜間光曝露量、身体活動量、睡眠の質については、連続2日間測定した。また、大量データ解析のための方法としてExcelマクロを用いた処理方法を確立した。 本研究の部分成果として、本年度に以下の3つの論文が科学誌に掲載された。①夜間メラトニン分泌量が少ない群で夜間血圧低下率が小さい(Obayashi et al. Hypertens Res. 2013, in press)②日中光曝露量が多いほど夜間メラトニン分泌量が多い(Obayashi et al. J Clin Endocrinol Metab. 2012;97:4166-4173)③夜間光曝露量が多い群で肥満症および脂質異常症の有病割合が高い(Obayashi et al. J Clin Endocrinol Metab. 2013;98:337-344) これらの研究成果は本研究の目的である夜間メラトニン分泌と夜間血圧低下率の関連へのADMAの関わりを示す上で重要な先行文献となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度である平成24年度の目標は、200名の対象者への調査実施および大量データ解析のための方法を確立することであった。データ解析方法の確立に加えて、予定をしていた約200名の対象者への調査を実施できたことは当初の計画通りに進展していると考えられる。また、本研究の目的を達成するために必要な基礎的文献として、3つの論文を科学誌に掲載できたことは評価できる。 一方で、メラトニン測定およびADMA測定について、検査委託先であるSRL社での測定キットの海外からの入荷遅れがあり、検体採取した約200名全員に対して実施できておらず、予定されていた研究費使用が滞っており、次年度への繰越が必要になった点は、今後改善すべき点である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の目標は今年度と同じく200名の対象者への調査実施に加えて、今年度得られたデータを整理し解析できる状態にすることである。既に対象者の同意を得ており、今年度同様に実施することで目標達成は可能と考える。またデータ整理についても、既にExcelマクロを用いた処理方法を確立しており、この点も問題ないと考えている。 研究費使用の観点で本年のような測定の遅れが出ないように、検査委託会社との連携を強化し予定通り実施したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費使用について、基本的に今年度(平成24年度)と同様に検査委託費として使用することを予定している。また今年度分として実施できなかった検体検査については、初年度研究費繰越を使用して測定することを予定している。
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