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2014 年度 実績報告書

動脈硬化および大動脈瘤形成におけるインフラマソームの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790775
研究機関自治医科大学

研究代表者

臼井 文武  自治医科大学, 医学部, 助教 (50585560)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード炎症 / 自然免疫 / インフラマソーム
研究実績の概要

脂質異常、高血圧や肥満といった生活習慣病の基盤病態として慢性炎症反応が注目されている。しかし、これらの疾患ではどのようにしてその無菌的な炎症反応が惹起されるかは不明である。そこで我々はインフラマソームと呼ばれる自然免疫経路に着目した。インフラマソームは細胞内の分子の複合体でありcaspase-1を活性化することで強力な炎症性サイトカインであるIL-1βを成熟化させ炎症惹起を制御している。なかでもNLPR3インフラマソームは動脈硬化や痛風といった疾患における無菌性炎症の惹起に関与することが報告されている。そこでNLRP3インフラマソームが大動脈瘤に関与すると仮説を立て、その役割について検討した。ApoEノックアウトマウス(ApoE-KO)およびApoEとNLRP3インフラマソーム構成分子(NLRP3、ASC、Caspase-1)のいずれかと二重欠損したマウス(DKO)にアンジオテンシンII(AngII)を4週間持続投与し腹部大動脈瘤を誘導した。その結果ApoE-KO群に比べDKO群では大動脈瘤の形成率が有意に抑制されることが明らかとなった。また、病変部の外膜ではマクロファージが浸潤しCaspase-1が活性化していることが明らかとなった。さらに詳細な解析を行ったところ、AngIIによりマクロファージの酸化ストレスが亢進し、ミトコンドリア由来のROSの産生を介することでインフラマソームが活性化されることが明らかとなった。これらの結果からNLRP3インフラマソームを制御するとこが大動脈瘤形成の予防及び治療に結びつくことが期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Inflammasome activation by mitochondrial oxidative stress in macrophages leads to the development of angiotensin II-induced aortic aneurysm.2015

    • 著者名/発表者名
      Usui F, Shirasuna K, Kimura H, Tatsumi K, Kawashima A, Karasawa T, Yoshimura K, Aoki H, Tsutsui H, Noda T, Sagara J, Taniguchi S, Takahashi M
    • 雑誌名

      Arteriosclerosis, thrombosis, and vascular biology.

      巻: 1 ページ: 127-136

    • DOI

      10.1161/ATVBAHA.114.303763.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 大動脈瘤形成におけるNLRP3インフラマソームの役割2015

    • 著者名/発表者名
      臼井文武、木村博昭、唐澤直義、川島晃、高橋将文
    • 学会等名
      第46回日本動脈硬化学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-07-10 – 2015-07-11
  • [学会発表] 大動脈瘤形成におけるNLRP3インフラマソームの役割の解明2015

    • 著者名/発表者名
      臼井文武、木村博昭、唐澤直義、川島晃、高橋将文
    • 学会等名
      第35回日本炎症・再生医学会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      2015-07-01 – 2015-07-03
  • [図書] 疾患モデルの作製と利用-脂質代謝異常と関連疾患<<下巻>>2015

    • 著者名/発表者名
      臼井文武、高橋将文章
    • 総ページ数
      413ページ中43-48ページを担当
    • 出版者
      株式会社エル・アイ・シー
  • [備考] 自治医科大学炎症・免疫研究部ホームページ

    • URL

      http://www.jichi.ac.jp/inflammation/index.html

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公開日: 2016-06-01  

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