脂質異常や肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の病態基盤における慢性炎症反応の関与が注目されている。本研究では無菌性の炎症反応に関与するインフラマソームと呼ばれるシグナル分子複合体に着目し動脈硬化および大動脈瘤におけるインフラマソームの役割の解明を試みた。その結果動脈硬化形成および大動脈瘤の形成においてその炎症反応においてCaspase-1が重要な役割を持つことが明らかとなった。また腹部大動脈瘤の形成においてもNLRP3インフラマソームがその炎症惹起に重要であることが示された。今後より詳細なメカニズムを解析することによりインフラマソームが治療標的となり得ることが期待される。
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