研究課題
心不全における心臓のおよび全身の代謝変化(代謝リモデリング)の分子基盤を明らかにし、心不全の新しい診断・治療法を開発することを目的とし研究を実施した。具体的には、【目的 1】心不全の代謝治療の治療指針を得るため、99mTc-MIBIシンチグラムを使い、生体内で心臓のミトコンドリア機能を評価する方法を確立する。【目的 2】異なる基礎疾患による心不全での代謝リモデリングを検討するため、モデル動物の生体内でのミトコンドリア機能・遺伝子発現パターンと比較し、どういった薬剤(代謝修飾薬・抗炎症性薬剤など)による介入が効果的かを探る。H24年度は、 99mTc-MIBIシンチグラムを使った、心臓ミトコンドリア機能を生体内でモニタリングする手法の動物モデルでの確立と心不全患者における99mTc-MIBIシンチグラムを用いた予後および心機能指標・運動耐容能指標との比較を行った。動物モデルにおいて、ミトコンドリア膜電位の脱分極を惹起した場合の、99mTc-MIBIの洗い出し率の亢進が明らかになり、生体内での観察は摘出潅流心での検討と一致した。次に、心不全の入院患者で評価99mTc-MIBIの洗い出し率の亢進と心不全重症度が相関する事、運動耐容能と相関することを見出した(AHA2012,日本循環器病学会2013で発表)。H25年度は、心臓特異的に解糖系遺伝子を過剰発現させたマウスでのミトコンドリア機能の解析を行い、解糖系遺伝子がどのようにミトコンドリアへ影響を及ぼすか、また基質取り込みはどう変化するかを解析した(PLOS Oneに発表)。
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