研究課題/領域番号 |
24790791
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
杜 成坤 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (90590646)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肥大型心筋症 / トロポニン / ミューテーション / ノックインモデル / カルシウム感受性 |
研究概要 |
約20年前にβミオシン重鎖の遺伝子異常が家族性肥大型心筋症患者で発見されて以来、16種類を超える遺伝子で900以上の突然変異が同定された。心筋トロポニンTの突然変異はそのうちの約20%を占めている。私たちはこれまでに、拡張型心筋症を引き起こす心筋トロポニンT遺伝子変異を導入したノックインマウスの作製に成功し(Du et al. Circ.Res ; 101 : 185-194)、病態発現メカニズムの主要な部分を解明するとともに、有望な治療薬候補物質のいくつかを同定してきた。 今回、今までの経験を生かして、肥大型心筋症患者の原因遺伝子変異を導入したノックインマウスモデルの作製を試みた。重篤な肥大型心筋症を引き起こす心筋トロポニンT遺伝子突然変異の一つであるS179FをES細胞に導入し、ES細胞の胚盤胞へのマイクロインジェクションにより70%以上のキメラ率を持ったキメラマウスの作成に成功した。得られたキメラマウスから次世代へのジャームライントランスミッションにより、ノックインマウスを得た。現在まで、ホモマウスの約1割が死亡したが、その2/3は2ヶ月齢以内(若い時期)の死亡であった。さらに心臓奇形が頻繁に見られた。Mモード心エコーにより心臓壁肥厚、内腔減少などを観察した。S179Fノックインマウスの左心室乳頭筋から調製したskinned fiberの実験では、心筋ミオフィラメント・Ca2+感受性の増加を認めた。 今後、病態機序をさらに解明するとともに、有効な治療薬候補を見出し、最終的には肥大型心筋症による若年性突然死に対する予防法の開発を進めていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は心筋トロポニンT 遺伝子の突然変異の一つで、重篤な肥大型心筋症を引き起こすミスセンスS179F を導入したノックインマウスを作製し、ヒトの肥大型心筋症の病態発現メカニズムの解明を進め、突然死の予防・治療法の開発に繋げることである。 本年度では、このノックインモデルの作製は順調に進行し、成功した。また、発症のメカニズムに関する解析は計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ジーンターゲティング技術を使うことによって、心筋TnT遺伝子変異S179Fを導入した肥大型心筋症ノックインモデルマウスの作製に成功した。いま、その発症のメカニズムを順調に解明している最中である。これから、研究計画に従って、一歩一歩着実に研究を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度20万円ほどの残金と次年度の研究費を利用して、次年度の計画であるマイクロアレイ、生化学解析、心筋細胞Ca2+動態解析などの実験を完成する。
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