PNA-LNA PCR clamp法による Notch1遺伝子変異の高感度検出システムの開発を試みた。 点突然変異を有する変異Notch 1遺伝子のみを特異的に増幅するために、長井らの論文を参考にPCR clamp法を利用することとした。変異部位の正常DNAに対応する相補的な配列のPNAを用いたclamp primerを設計し、また続いて変異型を検出するために、変異に対応するfluorogenic probeとして、mutant probeを設計(Mutant probeでは野生型と変異型を厳密に区別するために、変異部位に対応する場所にLNAを用いる)することを検討したが、残念ながらいずれも成功しなかった。 gamma secretase(Notch)阻害剤は、J Clin Oncol誌(2012年7月1日号、P2307-2313)に MK-0752という薬剤がPhaseIの段階であるが、順調に臨床開発が進んでいる。その他の薬剤も学会レベルでの報告が散見されており、本研究の遂行速度を速める必要性を再認識した肺癌という病気の特性上、臨床で得られる生検検体には、野生型のDNAが多数含まれることから、将来的には、次世代シークエンサーを用いた臨床診断が中心となるだろうが、その間、あるいは、簡便なスクリーニングツールとして、本検査法を開発する意義については失われていないと思われず、今後の発展が望まれる。
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