研究概要 |
平成24年度には、ALK融合遺伝子を有する細胞株(H3122)の薬剤耐性株の樹立を行い、耐性メカニズムを検討した。 これまで報告されているEGFRの過剰発現によるALKシグナルのバイパスがみられた。これはウエスタンブロットやqPCR法で確認している。また、この耐性機序に対する治療戦略としてEGFR阻害薬であるErlotinibとの併用が有効であることが分かった。平成25年度にはマウス腫瘍皮下移植モデルでのCH5424802とErlotinibの併用療法の効果を確認する予定である。さらに、H3122細胞とH3122の耐性株(H3122AFR)においてDNAのSNP arrayを用い、LOH, copy number解析を行ったところ、これまでの報告と同様H3122AFRでEML4のexon 1~13とALKのexon20~28を含む領域のamplificationがみられた。EML4, ALK以外にもamplificationを認め、現在耐性メカニズムとの関わりを解析中である。 Ba/F3細胞にEML4-ALK融合遺伝子を導入し、IL-3を添加せず自動増殖がみられる細胞を樹立し、これらにこれまで報告されている耐性変異を導入した。現在臨床で使用されているcrizotinibとCH5424802の効果をin vitroで比較し、さらにマウスのBa/F3移植モデルに対して治療効果の差を観察し現在結果の解析中である。
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