小細胞肺癌(SCLC)における免疫グロブリン・スーパーファミリー細胞接着分子CADM1の役割について研究した.まず,CADM1がSCLC細胞株では高頻度に過剰発現し,正常肺や正常脳では認めない特異的なスプライシングを受けていることを見出した.機能解析では,siRNAによりCADM1発現を抑制したSCLC細胞では球状細胞集塊の形成が抑制された.さらに,肺癌手術検体の免疫組織化学染色では,CADM1がSCLCの71%で強陽性であり,患者の予後不良と有意に相関することを見出した.CADM1バリアントがSCLCの悪性増殖能に強く相関しており,治療の分子標的となる可能性を持つことが示唆された.
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