研究課題
研究当初の目的は、無麻酔無拘束下において呼吸の神経可塑性の存在を明らかにすることであった。特に上気道開大筋を制御する舌下神経にも同様に神経可塑性が発現するか、特に短時間の間欠的低酸素刺激が、上気道開大筋であるオトガイ舌筋の筋活動増強を促進するかを明らかにすることであった。これまで申請者は、無麻酔無拘束動物を用いて、間歇的低酸素後の長期呼吸増強として①whole body plethysmographyを用いた実験系での分時換気量の増加、ラジオテレメトリーを使った実験系で②横隔膜筋電図の増強を報告した。今回は②の無麻酔無拘束動物を用いた筋電図測定の実験系でオトガイ舌筋の可塑性を示すことに挑戦し、ラットを用いて手術を行いオトガイ舌筋の筋電図電極を植え込み、無麻酔無拘束状態で筋電図を測定することに成功した。この実験にて低酸素下、高二酸化炭素下、間欠的低酸素下での筋電図を測定することも可能であった。しかし麻酔下の安定した状況とは異なり、無麻酔無拘束下ではlicking, swallowing, chewingなどの舌活動による呼吸筋としての筋活動以外の筋電図活動が非常に強く、仮説通りの間欠的低酸素後のオトガイ舌筋活動増強の傾向を認めた時間帯が確認された一方で再現性の高い研究成果を示す結果が得られなかった。そこで最終年次としては、これまで行ってきた実験系である無麻酔無拘束マウスにおける高二酸化炭素、低酸素暴露における呼吸測定実験の成果をまとめた。特に臨床応用されているモダフィニルを用いた低酸素、高二酸化炭素換気応答の結果の解析が終了し、論文化の段階に到った(2016年5月投稿予定)。
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