最終年度の研究結果をまとめると、次のとおりである。 (1)EGFにより、H28細胞の遊走能は亢進したが、線維芽細胞培養液中にEGFは分泌されていなかった。 (2)fibronectinにより悪性中皮腫細胞の遊走能は亢進し、線維芽細胞培養液中にもfibronectinの分泌を認めた。 (3)HGFによりH28細胞の遊走能は亢進した。HGFはH226やH2052細胞の遊走能に影響を与えなかった。線維芽細胞培養液中にHGFの分泌を認めた。 (4)マトリゲルを用いて浸潤能を評価した。線維芽細胞培養液により、悪性中皮腫細胞の浸潤能は亢進した。 (5)H226細胞の皮下接種による腫瘍マウスモデルを作成した。線維芽細胞を同時に接種する群としない群の比較で、腫瘍形成に明らかな違いは認められなかった。
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