急性肺障害は重篤な呼吸不全を来すが、根本的な治療法がない。我々は獲得免疫の中心的役割を担うT細胞に着目し、免疫抑制分子であるCytotoxic T Lymphocyte Antigen 4(CTLA4)のシグナルを介したT細胞活性が急性肺障害の病態に関与していることを示した。制御性T細胞を誘導する免疫抑制剤、ラパマイシンを動物モデルに投与することでT細胞活性を介し、肺の炎症が抑制されることを示し、マウスのT細胞を用いたin vitroの実験においてCTLA4シグナル伝達経路の一部を解明した。CTLA4シグナル抑制が急性肺障害に有効であり、特にラパマイシンが治療応用できる可能性が示唆された。
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