研究課題/領域番号 |
24790820
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中鉢 正太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90464867)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | スタチン / 喫煙 |
研究概要 |
平成24年はin vitroでの、肺胞上皮細胞に対してのタバコ抽出液(CSE)、シンバスタチン(SS)の投与の影響の検討を行った。肺胞上皮細胞(A549、MLE12)を用いてMTT assay、BrdU assayを施行し細胞増殖に及ぼすCSE、SSの影響を検討した。予備実験としてCSEの投与濃度、SS投与のタイムスケジュールをまず検討した。CSEは濃度依存性に細胞増殖が低下することが確認された。SS投与はCSE投与の1時間後に行い、48時間後に細胞増殖をMTT assay、BrdU assayを施行することで細胞増殖を評価した。両アッセイとも、スタチン投与により細胞増殖が促進されることが確認された。 preliminary dataとして、in vivoの実験で細胞増殖の亢進にVEGFの産生の亢進が関与している可能性があるため各群においてVEGFの遺伝子発現を定量的PCR法、蛋白濃度をELISA法で測定したが著変を認めなかった。次にVEGFの機能に関して評価をするためVEGF拮抗薬SU5416を投与したところ細胞増殖のSS投与による改善は拮抗された。 以上の内容は 第52回日本呼吸器学会総会 ポスター The 108th Annual International Conference of American Thoracic Society, May 2012. San Francisco, CA. poster session で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
仮説をある程度のところまで検証できているため
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今後の研究の推進方策 |
in vivoの実験に関しては、すでに確認できている短期喫煙曝露でのシンバスタチンの肺胞上皮細胞の増殖がVEGF拮抗薬SU5416の投与で拮抗されるか(in vitroでも平成24年度に確認している)を組織標本で確認する。 次に3-6ヵ月での過去に報告されている長期喫煙プロトコールでマウス肺に気腫ができるかを確認した後に、スタチン投与により気腫形成が抑制されるか、またその機序として肺内プロテアーゼ産生をMMP-2, 9、12、好中球エラスターゼについて、BAL液、肺組織を用い、ELISA法、zymography法にて測定する。可能であればin vitroの実験に関しては、平成24年度に肺胞上皮細胞からのVEGFの産生の増加がSS投与で見られなかったため、マクロファージでのVEGF産生を検討するため、単球系細胞(RAW細胞)と短期喫煙マウスから気管支肺胞洗浄(BAL)にて得られた肺胞マクロファージをex vivo で培養し、mRNA 及び蛋白レベルでのVEGF 発現につき検討することとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
マウス、タバコ、試薬等の消耗品の購入に使用する計画である。 未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、25年度の消耗品の購 入に充てる予定である
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