研究概要 |
平成24年に確認されたin vitroでの、肺胞上皮細胞に対してのタバコ抽出液(CSE)による細胞増殖の抑制、シンバスタチン(SS)による細胞増殖の促進作用の機序の検討を行った。 In vitroでは肺胞上皮細胞(A549、MLE12)を用いてCSE、SSの細胞内でのAktのリン酸化に及ぼす影響をWestern blot法で検討を行った。CSE,SSの投与から複数のタイミングで細胞を融解し蛋白レベルでのAktのリン酸化を測定した。仮説ではAktのリン酸化はCSEで抑制され、SSにより回復、SU5416投与により抑制されると考えられた。 しかし仮説と異なりAktのリン酸化はCSE投与で若干上がり、SS、SU5416の投与で抑制される結果であった。そのため別機序の細胞シグナルが関与していると思われた。 In vivoでは前年度に確認されていた、短期喫煙モデルでのSSの細胞増殖促進効果がSU5416の投与で拮抗されるかの検討を行った。PCNA染色陽性細胞を検討したところ、陽性細胞数はSS単独投与と、SS、SU5416投与群で有意差は認めなかった。
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