EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺癌細胞はEGFR-TKIに対して高度感受性を示すが、長期間の同薬剤への曝露で耐性獲得が生じることが知られている。その機序の約30%程度は依然不明である。我々はEGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺癌細胞株(PC9)に対してEGFR-TKIの一種であるゲフィチニブを低濃度から漸増して長期間曝露することで、耐性細胞株を樹立した。次にその耐性細胞株と従来の感受性細胞株より採取したRNAを用いてcDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、肺癌細胞におけるEGFR-TKIへの耐性獲得の新たな機序としてFGF2-FGFR1経路の活性化の関与が示唆された。
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